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院長インタビュー
すぐにわかるくらい
口腔内は敏感で
デリケートな部分
“問題のある噛み合わせ”とは具体的に
どのような状態なのでしょうか?
「個々で、噛み合わせの状態は異なる」と言いますが、その差異が健康(正常)な範囲のものであれば、これは個性レベルなのでかまいません。ただ、健康(正常)な範囲を逸脱するとなると、これは病的な噛み合わせなので治療対象となります。
では、病的な噛み合わせとはどんな状態なのかと言うと、「しっかり物が噛めない」などの機能不全が生じている噛み合わせのことです。
口腔内は非常に敏感で、平均0.08mmの大きさの髪の毛が1本入っただけでもすぐにわかります。
このようなデリケートな部分を治療するのが“噛み合わせ治療”で、このことだけでも、いかにその治療が重要で、そして精度を追求しなければいけないかがおわかりいただけるかと思います。
噛み合わせ治療に注力するように
なったきっかけは?
“藤本研修会”での学びが大きなきっかけです。
この研修会には父(前院長)も通っていて、ここで噛み合わせの大切さ、そして噛み合わせ治療における“精度”の重要性を学びました。
実は、噛み合わせについて大学であまり学ぶ機会はなく、「何となく治療している」という歯科医師が少なくないというのが実情です。
私は幸い、研修会でそれを学ぶことができ、精度の重要性についても骨身に染みるくらい教えてもらいました。
こういう経験がないと、いくら「噛み合わせは大事」と言われても、なぜそれが大事なのかわかりません。
だから「何となく、歯が当たっている」「何となく、噛み合っている」というレベルでストップしてしまっている治療がほとんどです。
コンセプトは“精度”
精度の高い治療により
口腔機能を確保する
どのようにして噛み合わせを
治すのですか?
まずは噛み合わせの状態を診て、「これは問題がある」ということであれば、噛み合わせを整えていきます。
むやみやたらに歯を削るだけでは改善しません。
歯をわずかに削って調整することが多いですが、場合によっては顎の理想的な位置で噛めるように、
補綴物などで噛み合わせの高さを回復しなければいけないケースもあります。
以前治療した患者様に、専門的な治療をされず、やみくもに歯が削られ、結果的に全ての噛み合わせが合わなくなってしまった患者様がいらっしゃいました。
そうなってしまったのは、担当の歯科医師が噛み合わせに関する知識をきちんと持っていないからです。
噛み合わせ治療は、信頼できる歯科医師に
相談するべきなのですね?
研修会での学びやこれまでの経験で、診療チェアに座ってお口の中を診なくても、その方と対面しただけで“噛み合わせの問題”や“将来的なリスク”を予想可能な場合があります。
こういうことができる歯科医師は、決して多くないと考えています。
繰り返しになりますが、噛み合わせに関する知識をきちんと持った歯科医師は少なく、禁忌レベルとも言うべき治療が行われているケースも目にします。
噛み合わせの問題があって強度が低下している歯に、不適切な形で補綴物を入れて、わざわざ歯根が割れるリスクを高めているような治療もあるのです。
歯根が割れると、現在の歯科医療では抜歯するしか手立てがありません。
こうした治療によって被害を受ける患者さんを、一人でも減らしたいと思っています。
最後に、やまもと歯科医院の
噛み合わせ治療のコンセプトは?
繰り返し「精度が大事」と言っていますが、これにすべてが集約されています。
そして精度の高い治療により、適切な口腔機能を確保することです。
機能をないがしろにして、見た目だけを追求するのは無意味です。
例えば、審美治療の場合、”白くしたい”などの気持ちが先行してしまい、本来の機能を十分に満たしていない白い歯を入れることは、泥沼の上に御殿を建てるようなものです。
“精度の向上=機能性の確保”は大前提、基本中の基本です。
その基本がしっかりと押さえられた上で、「見た目が気になる」ということであれば、患者様に合わせた白い材料での治療をご案内します。
そもそも“歯をきちんと治す”ということには、わざわざ審美治療と謳わなくても、見た目の要件は当然に含まれるはずです。
「噛み合わせを治しました。でも、笑った時に銀歯が目立ちます」
これは決して良い治療とは言えませんよね?
なので「本来、審美治療という言葉は不要」というのが、私の考えです。
機能性を確保し、その上で見た目の要件も満たす、それは噛み合わせ治療に限らず歯科治療の基本です。
それは当然行われるべきことで、当院は患者さんに誠実な歯科医院として、“当たり前”のことを当たり前に行わせていただきます。